小山田記念温泉病院




小山田記念温泉病院

3TMRI

3.0T(テスラ)MRI

3.0TMRI

1:3.0TMRI検査を希望される方へ
2:当院の3.0TMRI装置
3:MRI検査とは
4:3.0TMRIについて
5:MRI検査の受けられない方(注意事項)
6:MRIとガン診断
7:各臓器のMRI適応
8:当院でMRI検査を受けられる患者様へ(注意事項)
9:検査室に入る前の注意事項

1:3.0TMRI検査を希望される方へ

当院のMRIは地域の方に広く利用していただく為、オープンにし、他医療機関にかかっている方でも紹介を受け多く検査させていただいいます。3.0T MRIにて詳細な検査を望まれる方は、当院を受診して頂くか、かかりつけ医にご相談ください。


2:当院の3.0TMRI装置

当院の3.0T MRI装置は ドイツシーメンス社製のMAGNETOM Verioです。特徴は内径が70cmと広く、圧迫感が少なく検査が受けられます。

3:MRI検査とは

MRI検査(Magnetic Resonance Image,核磁気共鳴断層検査)とは強い磁場(磁石)の中で電波を当て、体内の臓器、病巣を映し出す検査法です。 造影剤を使用せずに頭部の血管を映し出す事もできます。

4:3.0TMRIについて

テスラとは磁石の強さで、テスラ=10.000ガウスで、家庭用磁石入り絆創膏は1,000ガウス前後です。3.0T MRI装置は磁石の強さが一般的な1.5T MRIの2倍で、詳細、鮮明な画像が得られより正確な診断ができます。

5:MRI検査の受けられない方(注意事項)

強い磁石の中に入るため、鉄等の磁石に強く引きつけられる金属や電子部品を体内、体表に有している方は重大な事故が起こりますので、検査出来ません。 心臓ペースメーカ、人工内耳等の電子装置を装着されている方、事故等で体内に金属の入っている方は検査できません。 脳神経外科でシャント術を受けた方は、シャントの調整が変化してしまうため、脳外科医に相談してください。 磁石式インプラントの入っている方は歯科医に相談してください。 刺青には鉄成分が入っているため、広汎に刺青をされている方は検査できません。わずかな刺青やアートメイクをされている方は変色することがありますので、検査前に同意していただく必要があります。 脳動脈瘤クリップ、コイル、ステント、骨折プレート、人工関節、人工弁等は近年のMRI対応のものであれば、検査可能です。

6:MRIとガン診断

MRIで拡散強調画像を撮影する事によりガンが描出される事が、日本の放射線科医により発見され、PETと同等の診断能があり、世界中から多数の論文が発表されています。 大きな利点は造影剤を注射しないため、腎不全の方でも安心して検査出来、糖尿病の方でも関係なく検査でき、内部被曝の心配もありません。PETでは検査に半日かかりますが、一時間程度で検査が終了します。 造影剤や放射性薬品を使用しないため、検査料金が安い事です。 非常に有益な検査ですが、通常のMRI検査より検査時間が長いため一日に多くの患者さんを検査できず、一般に行われていません。当院では地域医療貢献のため施行しています。

7:各臓器のMRI適応

<頭部・脊髄>

小さな梗塞、出血、動脈瘤、腫瘍等がCTより明瞭に描出されます。 脳の血管を描出するMRアンギオグラフィーでは、造影剤を注射しないで動脈瘤、狭窄が診断できます。3.0T MRIでは、1.5TMRIよりさらに詳しく正確に診断することができます。



<脊椎、四肢関節>

軟骨、椎間板はMRIでしか直接描出できず、整形外科領域の画像診断には欠かせません。3.0T MRIにより、手関節や指の小さな関節が鮮明に撮影することができます。




<耳鼻科領域>

肉眼、内視鏡で観察される部位ですので、耳鼻科診察が重要ですが、MRIは腫瘍の良悪性の鑑別、進行度の評価には非常に有益です。



<胸部>

肺ガン、肺炎共にCTが優れており、胸部に関してはCTが第一適応になりますが、縦隔腫瘍はMRIの方が質的診断に優れています。



<食道、胃、消化管領域>

消化管のMRI、CTでの早期ガンの発見は困難で消化管の診断には内視鏡検査が第一適応です。MRIは病変の質的診断、広がりを診断するのに非常に有益です。



<肝臓、胆嚢、膵臓、腎>

MRIは腫瘍の質的診断ができるため、肝、胆、膵、腎ガンの診断には、CTよりもはるかに優れています。 胆石は超音波検査が便利で正確に診断できますが、胆のう頚部、総胆管、膵管評価にはMRI(MRCP)が非常に優れており、非侵襲的に、息止めもなく、非造影で検査できます。腎結石、尿管結石の診断はCTの方が優れています。




<子宮、卵巣>

経膣超音波検査が簡便で一般的に行われていますが、MRIは卵巣、子宮腫瘍の良性、悪性の質的診断、広がり等を正確に評価するため欠かす事の出来ない検査です。子宮内膜症の診断にも欠かす事が出来ません。MRIでは内診台に乗らずに検査を受けることが出来るのも大きな利点です。




<膀胱>

膀胱ガンの早期発見には膀胱鏡検査ですが、ガンが発見された後の治療のための広がりを診断するため、MRI検査がなされます。



<前立腺>

前立腺ガンは多様です。全身の骨に広範な転移を来たし死亡する場合もありますが、生涯無症状で別の原因で死亡する場合も多くあります。 前立腺ガン以外で死亡した方の前立腺を詳しく調べるとガンが見つかる事が多くあります。従って、前立腺ガンでは悪性度の高いガンを発見し、治療する事が大切で、悪性度の低いガンの手術には大きなメリットが無いと言われています。 前立腺ガンの悪性度の診断には多数の本数の針生検がなされています。しかし、ガンが検出されない場合でも、ガンに的中しなかったか可能性が残ります。また、前立腺ガンは悪性度の低いものから高いものまで多発する事が多く、針生検が最も悪性度の高いガンに的中したかどうか確認出来ません。 MRIの拡散強調画像は細胞密度の高い悪性度の高いガンほど検出しやすいため、前立腺ガンの検出に有益で、針生検の前にMRIを撮影する事により、生検本数を減少でき、ガンの検出率を高める事が出来ると報告されています。 拡散強調画像は万能ではなくガンのみを描出するわけではなく、良性の腫瘤との鑑別も必要で難しい事もありますが、経過観察する事によりガンをより早期により正確に診断する事ができます。 前立腺の周囲には大切な臓器があるため、術後、尿漏れや勃起不全等を起こしやすく、前立腺の周囲を大きく切除できません。手術前にMRIにてガンの広がりを正確に診断しておくことが大切です。



<乳腺>

マンモグラフィー、超音波検査が検診、診断に行われていますが、造影剤を注射したMRI(造影MRI)でしか発見されない乳ガンがあり、造影MRIは乳ガンの診断に最も優れています。造影MRによる乳がん検診は遺伝性乳がん・卵巣がん症候群のハイリスクの方の検診に推奨されています。


遺伝性乳がん・卵巣がん症候群:
○血縁者に40歳未満で乳がんを発症した人がいる。
○卵巣がん(卵管がん・腹膜がん)の人がいる。
○転移でない乳がんを2個以上、発症した人がいる。
○男性で乳がんになった人がいる。
○家族に乳がん発症者が3人以上いる。
○トリプルネガティブの乳がんといわれた人がいる。
○家族にBRCAの遺伝子変異が確認された人がいる。
以上の項目で、一つでもあてはまれば、遺伝性乳がん・卵巣がんの可能性が一般より高いと考えられています。




8:当院でMRI検査を受けられる患者様へ(注意事項)

検査予約時間の20~30分前までに病院受付におこしください。
保険証、診療情報提供書(他院からの紹介の方)を必ずお持ちください。
検査の3時間前からは絶食にし、水も飲まないでください。
腹部、骨盤、乳腺を検査される方は朝より絶食してください。(水、お茶等の水分制限はありません。糖尿病薬は飲まないでください。高血圧、抗血小板薬等はいつも通りに飲んでください。ただし、検査の3時間前からは水も飲まないでください。)
検査時間は内容によって異なり、30~60分程度です。

9:検査室に入る前の注意事項

更衣室で検査着に着替えて頂きます。更衣室は施錠できます。
ヘアピン、カツラ、入れ歯、ピアス、指輪等の金属は外して頂きます。
カイロも外して頂きます。乳腺検査の方は金属のついていない
下着を着けるか、持ってきてください。
濃い色の化粧品には鉄成分が入っていますので、薄化粧で来院して
ください。
頭、頸部の検査ではアイシャドー、マスカラ等を外してもらいます。
磁気カード、携帯電話、時計等は壊れてしまいますので、
検査室に持ち込めません。

医療法人社団主体会
小山田記念温泉病院
三重県四日市市山田町5538-1
Tel 059-328-1260